銅版画工房に通われている方より展覧会のお礼状を作りたいとの事で先日制作、摺りを行いました。
お礼状の為小品で、コメントを書けるレイアウトでとのご要望。
版画の為同じ作品でも油膜や色の出方などその都度その都度多少の違いは出て来る為以前摺った物を基準に
摺りの準備をします。
15枚の依頼の為ハーネミューレ紙を一枚一枚水に浸しビニール袋に入れ密閉します。
こうする事で水が紙全体に均一にいきわたり、繊細なマチエールも紙に写取る事が出来る様に。
今回の作品は黄色と青の作品なので、ガラス板に予めインクを出し良く練っておきました。
寒冷紗、人絹、手を使い丁寧に拭取っていきます。
特に「手拭き」といわれる作業はとても重要で、油膜の微妙な調節を可能にします。
フィルムカットを使いローラーで凸面にもインクを乗せていきます。
この作業を枚数分繰り返し出来上がった作品がこちら。
水張りをし綺麗に乾かし、後は依頼された方にお渡しするだけです。
今回同じ作品を何枚も摺ってみて、同じ様に摺る事の難しさを改めて痛感しまだまだ修行が足りないなと思
うのと同時に奥深さを実感しました。
「世に出る物は全て残るんだからプライドを持って仕事をしなさい」先日師匠の白井先生よりいただいた言
葉がとても身に染みます。
こんな風に摺りのみも対応いたしますのでお気軽にご相談下さい。