エッチングとアクアチントのとても素晴らしい作品のご紹介です。
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■レンブラント・ハルメンスゾーン・ファン・レイン
《石の手摺りにもたれる自画像》1639年
古い時代の画家ですが、エッチングの中で最も代表的な作家です。
線の集積に寄って見事な質感や量感を表現しています。
ハッチングという幾本も幾本も線を重ねていく技法で、腐蝕時間を調節する事で明暗を的確に表現した良作
ではないでしょうか。
また、銅版画特有の油膜による擦れや意図とせず入った腐食による線がとても美しく魅力的です。
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■フランシスコ・ゴヤ・イ・ルシエンテス
《多感であったがために》1799年
「黒い絵」で有名なゴヤですが、版画でも良作を残しています。
アクアチントの特性を活かし、布の表現や影、奥行きをとても見事に表現しています。
止めニスを細かく上手に使い布のシワや肌の白さを際立たせている、正にアクアチントのお手本です。
また、ハーフトーンから黒いトーンまで表情も豊かでとても美しい作品ではないでしょうか。
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何れも、今日でも全く変わらず使われる技法でその凄さと魅力を存分に教えてくれる作品です。