横浜・日ノ出町。大岡川沿いに面した明るい銅版画教室です。銅版画作家から初心者の方までご参加可能です。

既製品のメゾチント版と、自分で目立てた版の両方で作品を作りました。
左が世界堂等で売っている既製品の版で右が目立てた版になります。

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インクはどちらも同じシャルボネの55985。
黒の印象に大差はありませんが、やはり削り具合がかなり違いました。
既製品の版は溝が軽く、スクレーパーで削っている時の抵抗は殆どありません。しかし、目立てた版の方は削り出しの時にスクレーパーの先に金属の抵抗を強く感じます。
そして、どのようにして既製品の版の溝を作っているのかは分かりませんが、自分自身で目立てた版は縦横斜めと溝を深く深く刻んでいく為一つ一つの溝が独立していてとても強いように感じました。

拡大した画像がこちら。

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削っていくとどちらも網掛けのような筋が見えてくるのですが、目立てた版の方がドットが鮮明で複雑なマチエールを見る事が出来ます。
それは、溝が深い分面になり難い為凸部分に油膜が残り易いからではないでしょうか。
また、極端に削り過ぎる事がない為グラデーションの表現も比較的容易です。
しかし、細い線を引くのが難しくどちらにせよスクレーパーとバニッシャーの繊細な道具捌きが必要で、これは経験する事でしか習得出来ないように思います。

出来上がった作品から伝わってくる印象は深く静謐で、そこがメゾチントの一番の魅力ではないでしょうか。
表現したいものを作品にするには、計画性と技術が必要な技法ではありますが腐食や二次工程がいらない為無心になれる非常に奥の深い技法です。
大きな版になればなる程目立てるのは非常に大変で労力は掛かりますが、いつか大きい作品にも挑戦してみたいと思います。