銅版画の腐蝕に、ディープエッチングという長時間腐蝕するやり方があります。
腐蝕止めのニスを塗り、後は数時間腐蝕液に入れっぱなしにするだけです。
長時間腐蝕される事と腐蝕される面が多い為表情にムラが出来摺りあがった時に非常に面白い効果が得られ
ます。
これは工房にいらっしゃってる生徒さんの版ですが、版自体迫力がありとても面白い表情です。
摺りあがった作品も、エッチングやアクアチントでは表現出来ない画面となり想像力を掻き立てられます。
三枚目の写真は、溝が深い分入り込むインクも多い為画面に盛り上がって定着していてとても魅力的です。
描写とは違い腐食やそれに伴う過程で生まれる偶然性がとても強く、摺るまでどんな絵になるのか分からな
いのも面白いのではないでしょうか。
また、表情が複雑な分様々な摺り方が出来、カラーで摺っても全くイメージの違う作品となります。
銅版画は、描くのは苦手という方でも簡単に出来る技法なので是非楽しんでみて下さい。