一貫して人物を描画している教室の生徒さん。
先日の作業風景を撮らせていただきました。
エッチングで代表的なレンブラントの作品を参考にしながら研究熱心に取り組んでいらっしゃいます。
写真はグランドを引いて乾かしている所。
以前に摺ったものを見ながら、何処を足していくか何処を引いていくかを考え線をいれている様子です。
一回一回は短い腐蝕ながら何度も何度も、描画・腐蝕・描画・腐蝕を繰り返している為凄みのある画面にな
っています。
アクアチントで面を作る事は簡単なのですが、あくまでエッチングに拘り線を主体としての画面構成。
ある程度描画し終えたら試し摺り。
柔らかい光を良く表現し印象的な画面になっています。
本人曰く、もっと黒い深い部分を作りたいとの事でまだまだ描画していくみたいです。
銅版画は、完成となるまで何度も試摺りを行う為その作家がどういうイメージを持って作品を描いているの
か分かり易く、そこも面白いポイントです。
特にレンブラントの作品は単純な技法の繰り返しでありながらその深みは真似出来ないものがあり、実際に
エッチングをやってみると気付く面白さでもあります。
今でこそ様々な技法があり表現も多様になりましたが、やはりエッチングやエングレービングなど古典的な
技法がとても魅力的なものではないでしょうか。
この生徒さんの作品がどうなっていくのかとても楽しみです。